制作集・自宅システム紹介
オーディオはずいぶん手軽なものとなりました。昔、自作でアンプ等を作る事は、多くの人趣味と実益を兼ねて取り組んでいたようです。ところが20年ぐらい前のミニコンポの出現以来、自作オーディオは贅沢な趣味に変りました。今や3万円も出せば立派なステレオが買えます。ところがいまだに自作でステレオを組み立てる酔狂な人たちが存在します。私もその一人です。更に私は、前世代の遺物である真空管を使用したアンプの自作を趣味としています。真空管アンプの自作を始めて15年ぐらいになると思います。最初は雑誌の制作記事を参考に、自分なりの工夫を入れて作っていました。3年に1台ぐらいのペースでゆっくりとアンプを作っていました。ところが、数年前友人が制作したセンセーショナルなアンプをアンプがきっかけで、ここ4年ぐらいの間に10台ほどのアンプの制作をしました。
自作オーディオを楽しむために、事故など無い様に安全に対する十分な配慮が必要です。敢えて最近の雑誌等の批判をしますが、潜在的な危険に対する配慮が欠けていると思います。感電、発火などに対する記事をしつこく載せるべきと思います。一通り見渡しても、偶に見かける程度で十分と思われる記事を見た事がありません。一般誌こそ生死に関わる部分はチキンとしている必要があると思います。特に、真空管アンプは危険です。まして自作なら輪をかけて危険度が上がっている事を認識しなければなりません。又、自分の実力を過信してはいけません。私は自作暦が長い上、仕事でも電子機器の開発などをしていますが、自分の手で作った物は信用していません。手作りでも安全な物は作れますがそれなりの設計がされている必要があります。わたしの場合、自作アンプなどを運転する時は必ず側にいます。最悪でも火事、不用意な感電(自分以外の知識の無い人の)はそれだけで避ける事ができます。自作されている方はこれを機会に一度自分のセットの安全を確認しましょう。生きていてこそオーディオを楽しむ事ができるのですから。
自宅システム紹介
以前は正統派のオーディオを楽しんでいました。数年前に狂って以来現在のような状態になってしまいました。写真は現在の居間の状態です。中央のテレビは32インチです。テレビの両脇は平面スピーカーでご覧のように巨大なものです。まだスピーカーは制作途中です。壁への固定(地震対策)とバッフル面の装飾を残しています。テレビの前はアンプ置き場です。
- スピーカー
- ちょっと変ったスピーカーを使用しています。10年ぐらい前Fostexがアメリカから輸入した平面スピーカーです。残念ながらオーディオ用と言う名目ではなく建材として売られていたようです。Fostexの人に聞くと、決してHiFiではないという返事が返ってきます。振動版は発砲スチロールで縦600mm横450mmです。私はこれを2枚縦につないで使用しています。振動版が大きい為箱を作る事はできず、平面バッフルを使用しています。バッフル版は厚さ25mmのパーチ材で高さ1800mm幅1350mmです。これが片チャンネルで、ステレオとするため2枚使用しています。(居間の壁を1枚占有している)口径1200mmのフルレンジスピーカーです。
- コントロールアンプ系統
- 5692ラインアンプ
- 有名な赤球を使用したラインアンプです。制作した当時はまだ古典の信奉者でしたから、こんな高価な球を使っています。当初、普通の固定バイアスのシングル増幅でしたが、全面改装を行った際にリニアライザ付きにしました。入力にLAXのCD用のトランスを内蔵しました。入力インピーダンスは5KΩです。出力トランスはタムラAシリーズの10K−600Ωを使用しています。ボリュームコントロールに600Ωのアッテネータを使用し、アンバランス−バランス変換トランスを通してバランス出力します。とてもコストがかかりました。
- DAC
- PCM56を12個並列接続にし(本当は16個使う予定でしたが途中で力尽きた)出力電流をトランスでI−V変換しSRPPのバッフアで出力します。SRPPのままではラインアンプの5KΩの入力インピーダンスを押せないので20K−600Ωのトランスを出力に入れています。
- 今思えばこんな大袈裟な物を作らなくてもOP−AMPにボリュームで十分だったと思います。でも、こけおどしには最適です。
- 電源内蔵メインアンプグループ
- 6B4Gシングルアンプ
- いわゆる2A3のシングルアンプです。10年わたって少しずつ改良を加えましたが最近引退しました。アンプの機能としては問題ないのですが、音がどうしても今以上に改善できませんでした。現状のシステムでは、もはやついていけません。
- 71シングルアンプ
- たった0.7Wのアンプです。見た目がとてもきれいです。作った当時は結構良かったのですが今では単なる飾りになっています。16センチのスピーカーと組み合わせると結構良く鳴ります。ただ、古典の音です。
- 電源外付けメインアンプグループ
- 実験の為に別電源を使用したアンプグループです。アンプ部分だけ作るのはローコスト、省資源、省体力です。最近はすべてこのスタイルです。アンプを作る労力の半分以上は電源が占めている事が良く分かりました。実験アンプの目的等に関しては現在の研究課題を参考にしてください。
- CV18単管ステレオ
- CV18は送信用の双3極官です。頭に2本のプレート電極を出しています。その形からウサギと呼んでいました。片ユニットで2W弱の出力を選られます。但しドライブは非常に難しく、私はパワーOP−AMPを使用して+5Vのバイアスで使用しています。外観を少し凝ったものとしました。
- CV18単管ステレオアンプ
- 807シングルアンプ
- 同じ真空管によるリニアライザを使用したメインアンプです。どうにもならないと言われていた807も音になります。
- 6BM8超3結合シングルアンプ
- 真空管8本を使った超3結合のアンプです。BMの会で最もメジャーな回路は超3です。以前は古典回路が幅を利かせていましたが、いろいろ努力した結果超3も含め新しい音を求めるようになりました。このアンプは標準器として製作しました。
- 6BM8リニアライザ付きシングルアンプ
- 807アンプの縮小版です。ただし807アンプには無かった回路を幾つか入れています。実験が目的のアンプです。
- 6EW7リニアライザ付きシングルアンプ
- 鑑賞用に制作したアンプです。6EW7という球はいろいろと思い入れのある球です。ガラス管の形状が特に気に入っています。
6EW7リニアライザ付きステレオアンプ
- 6Y6強NFシングルアンプ
- NFは聴感上良くないと思っていました。古典回路が良い音がするのはNFを使用しない為と考えていましたが、最近そうではない事が分かりました。そこで、実験を目的に真空管アンプでは普通使用しない強いNFを架けたアンプを製作しました。結果は良好でかつての無帰還アンプの様な音がします。
- ユニバーサル外付け電源
- 電源がアンプのコストに占める割合は非常に高く、真空管アンプにいたっては7割は電源と考えても大袈裟とは思えません。そこで最近では外付けのユニバーサル電源なるものを作って使っています。おかげでアンプ部分は小型で簡単に作る事が可能になりました。現在メインアンプ用に2系統の電源を使用しています。
以上が現在稼働中若しくは稼動可能なシステムです。その他にも作品はありますが、電源がなかったりいろいろで動かないアンプが幾つかあります。もし回路図がほしい場合はメールで請求してください。
居間のアンプ置き場の写真
6Y6と6EW7が並んでおいてあります。
自己紹介
- 名前 田村 秀夫
- 年齢 38歳
- 職業 開発業(最近はRF−IDをやってます)
- メールはこちら