カソフロ出力ミニアンプ
テスト中の6AS5カソフロアンプ
6AS5は町田のサトー電気で見つけました。1本300円の安い球です。私は名前が気に入って(6AS6とか6AS11とか...)買いました。せっかくですから6AS6と組ませてアンプができないかといろいろと考えました。5極管2本ですから超3は作れません。最初、超3の帰還管の代わりに抵抗を使って作る予定でしたが江口トラ猫さんのカソフロアンプに刺激されてカソフロ出力を試してみる事にしました。
半導体のアンプの出力は普通エミッタフォロア等が使われます。当然真空管でも可能なはずです。田中さんの話しによるとプレートフォロアと同じだけの出力が選られるとの事です。過去にもカソフロ出力の製品があったと宇多さんからも情報を頂きました。江口さんからも最初超3で製作された6BM8をカソフロにしたが良かったとの話しでした。カソフロにすると出力インピーダンスは1/Gmとなります。上手く行けば超3と同じような音になるはずです。バイアスは普通のA級のバイアスで良いとの事です。
以下に最終回路図を示します。
回路はNFが十分掛かるように直結としました。6AS6のカソード抵抗でバイアスを調整します。NFには6AS6のG3を使用しました出力トランスは東栄のT600−600です。B電圧は150Vを使用しました。回路は簡単に組みあがりました。早速つないでバイアスの調整をしました。音楽信号を入力してバイアス調整ボリュームを回します。音が最も大きく且つ歪みが少ない場所が適正バイアスです。
早速CDを聞いてみたのですが、変な音がします。低域は出ているのですが輪郭がぼやけています。その上高域が弱い様です。バイアスの調整などを何度かやり直したのですが無駄なようです。江口さんや田中さん、宇多さんと相談した所、出力管が3結という所が原因かも知れない。との返事をもらいました。そこで出力管の5結化を検討しました。
幾つか方法が考えられます。図は代表的な5結案です。コンデンサ方式はダイオードで逆流を防止してG2に一定の電圧を与えます。チョーク方式も同様と考えられます。電池方式はツェナーダイオードなどを持ちいて一定の電圧をG3に与えるものです。私はシャーシが小さい事からコンデンサ方式を試しました。結果はさんざんなものでした。どのように調整してもぼそぼそが取れなかったのです。今、冷静に回路を見直すと、Cの電圧はカソード・プレート間の電圧を上回る事になりそうです。それが原因だったのでしょうか。結局、このアンプに関しては3結で終わりとしました。以後の情報では、チョーク及び電池方式に関してはOKとの事です。
音はちょっと変っています。低域は良く出ます。高域は少し弱いと思います。6AS11等から比べるとぼけた感じです。言い方を変えると柔らかい音がします。以下に外観を示します。
6AS11と同じシャーシに組みました。
カソフロ出力に関しては超3などと比較すると、まだまだ熟成が足らないと思います。この回路も何とか物にしたいと思います。
1999/10/11
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