ハードディスクを使って送り出しをすると、なかなか良い音であることを知って、簡単なので自分でも作ることにしました。PCを送り出しに使う最大の問題点はファンの音ですが、最近CPU付、ファンレスのマザボードが発売されているので、何も考えずにそれを使うこととしました。ここは安易に考えて、ファンの無い部品を使っていくとおのずと音のしないPCが完成するというわけです。ただ、面倒なことはしたくないので、電源の改造も含め一切無し、PCの部品屋で買ってきて並べるだけとしました。PCを作るのはとっても簡単で、それぞれの部品は規格が統一されていて、半田付けするところなんて一箇所も無く、ねじ止めすればすぐに組み立てられます。今回はとにかく手を抜くことを最優先に考えました。
今回使用したマザボードは、VIAのEPIA mini−ITXという有名なファンレスマザボードで、1万円前後で入手可能でした。このボードはCPUは付いているもののRAMは付属していませんので買う必要があります。私は512MByteのSDRAMを2枚搭載しました。(1GByteでっせ)それから、ハードディスクは必ず必要です。ハードディスクはメーカーとか物によって騒音の具合が違います。よくわからないので、店で店員のお兄さんに最も静かなのを下さいと言ったら、Seagateの80GByteのディスクが出てきました。さて、マザボードは音源を背負っていますが、せっかく金満な自作DACがあるので、デジタル出力を追加することとしました。マザボードにはPCIが1スロット付いていますので、ボード1枚までは付けることができます。デジタルなら何でも同じだろうと光出力付きで最も安い玄人志向のCMI8738-6CHLPというサウンドカードを使いました。これは、LowProfile対応品ですので小さな筐体にも収めることが可能です。これだけ集めてつなぐと入れ物は完成します。買い物半日、組み立て1時間程度です。早速、組み立ててOSをインストールして動かしてみました。このときまではCDROMも付いていました。
さて、OS付属のプレーヤーや、サウンドカードに付属してきたプレーヤーソフトを使用することは可能ですが、情報によるとリッピングの際にデータが化けると言う話がありましたので、少し困っていました。せっかくHDDからジッタの無いデータが読めても、データが化けていれば問題です。(実際にはわかりませんが、要は気持ちの問題)某社のCDROMはデータ化けしないとのことでしたが、値段が高い。また、私はCDをコピーしたりするつもりはさらさらありませんのでCD−Rである必要はまったくありません。できれば安いので済ませたいと思っていました。そんななか、CDROMでの読み出しでどれくらいデータが化けるものか試すため、以前購入していたMP3への加工用のソフトを用いて実験してみました。やっぱり化けは発生するようです。途方にくれそのソフトの設定を弄っていた所、環境設定の中に<エラーをチェックする>というチェックボックスを見つけ試してみました。すると・・・CDROMとの間で速度調整をはじめ、なにやら適切な速度を割り出して勝手にチューニングしたようです。以後、リッピングしたデータは1bitの狂いも無く家のどのCDROMから取り込んでも大丈夫だとわかりました。ただし、CDROMによってリッピングの速度はだいぶ違うようです。使用したソフトはMUSICMATCH MP3 Jukebox 7.5でネットで購入してすぐ使えます。バージョンもいろいろとあるようです。上のバージョンではもっといろいろとやれるようです。(まあ、CPUがのろいので一番安いやつで・・)これで、データ化けの不安から来るイライラも解消します。
ソフトのインストールも終え、いろいろとチューニングして、大体満足行く仕上がりとなりましたが、まだ、ケースのことをぜんぜんこの時は考えていませんでした。今まで我が家の送り出し系は鈴蘭堂のシャーシを使っていましたので、もちろんラインアンプと同じ箱に入れるんだと例のシャーシを買ってきました。ところがここで問題発生。CDROMを取り付けるために綺麗なフロンとパネルに大穴を空けなくてはならない。いくらなんでも、これは無理です。思案の結果、CDROMはあっさり取り付けないことにしました。「肝心のCDのリッピングはどうするの??」と正常な読者は気がつくでしょう。でも心配無用、あっさり他のPCでリッピングしてLANで送る事にしました。この方式だと、音楽を聴いている最中に次のCDのリッピングが可能です。我が家は何台かPCがあるのでリッピング用のマシンには困りません。また、ここで意外なメリットにも気が付きました。他のPC上にある音楽データをLAN経由で再生しても音飛び等は一切発生せず、またLANのトラフィックも問題ないようです。音楽再生中にネットを見に行ってもぜんぜん問題ありませんでした。ということは、最初80GでCD100枚程度しか入らないと思われていた容量は別の部屋にファイルサーバーを置くことで無制限となったのでした。実は自宅Webサーバーの他にもう一台常時動いてるマシンがありますのでそれをCD用としても使うことにしました。このマシンK6−2の400Mと今となってはかなり鈍いですが、問題ありません。(動画との同時再生は試していませんので問題が出るかも知れませんが・・まあ、同時に使うことは無いでしょう)
もうひとつ、それまで使っていたジャンクのファンレス電源が入らないのです。急遽秋葉を回ってACアダプタを使うAT用電源を見つけてきました。それで、組み込んだ結果こんな感じとなりました。
上から見た図 右がHDD
裏面は大穴を空けました
電源のDCDCコン部分
サウンドカード
まあ、デジタルですし、しょっちゅう移動する事もありませんので、配線等は適当でも大丈夫です。ただ、アルミシャーシに入れるとそれまで気にならなかったHDDの音がするではありませんか。これには困りましたが、ハンズで防振ゲルシートなる怪しげなものを買ってきてHDDの下に敷きました。(2段敷き、なんと両面テープ留め)HDDの騒音はこれでほとんど聞こえなくなりました。ゲルの効果は絶大で、PS2とか普通のCDPより静かです。あと、HDDがヘッドのシークで突入電流が結構流れると聞いたので、サーボの負担を軽くするために古い壊れたHDD(音が良くなるようにWD(ウエスタンデジタル)を入れました)をもう一台上に重ねて取り付けてデッドマスとしました。放熱の足しにもなるかと思います。
さて、PCですからディスプレイがないと操作できません。それなりのソフトを書いて小さなディスプレイ・・・は無理です。ネットでいろいろと見ていて12インチ程度の薄型LCDモニタを購入しました。ちょっと知らないメーカーです。最初はラックのてっぺんのアナログプレイヤの後ろに置いてましたが、使い勝手が悪すぎます。ラックに入れることもできないし、・・・考えた挙句ディスプレイを組み込んだテーブルを作ることにしました。ホームセンターで集積合板の板とウッドポールと言うのを買ってきて、組み込みました。
こんな感じのモニタテーブルです。
横から見るとこうです。モニタはネジ止めです。それにしても汚ねー部屋。
天板は8mm厚のスモーク強化ガラスです。使わなくなったテーブルから拝借しました。液晶モニタは角度によって見え難くなりますので、モニタが入る部分の高さは少し大きく取った方が良いでしょう。モニタの後ろにLANケーブルが来ているのは、ノートPCをこのテーブルの上で使うときのケーブルです。テーブルタップが見えますが、ネジ止めしておくと使いやすいです。オーディオラック間のケーブルは全部で4系統必要になります。バラにしておくと危ないのでスパイラルを巻いて一本の太いケーブルにしました。VGAケーブルには細いのがあまり無いのですが、探すと細いのが見つかりました。また、操作には通常マウスだけ使います。時々キーボードも必要になりますので、HUBを取り付けて使い勝手を良くしました。
スケルトンでちょっとおしゃれなHUBです。
七色に光るイロキチガイなマウス
この辺にルールはありませんので、作るときは使いやすく考えましょう。USBのHUBとLANがテーブルまで来ていると、いろいろと使い勝手が良いです。テーブルタップも何かと便利です。(ネジ止めするのがポイント)USBが使えると将来USB接続のCDROMなんぞを付けてCDのリッピングも可能になります。キーボードもUSB接続の小さいのを探してきて普段はディスプレイの下の段に置いています。
あと、注意する点はセキュリティとかPC一般と変わりません。(ウイルスチェックも定期的にやりましょう)家の外からハッキングされてCDのデータを持っていかれないように、外部と繋がる部分の管理もちゃんとやりましょう。それから、CDを事実上コピーするわけです。決してCDRで増産しようなんてセコイ事も考えないようにしましょう。
綺麗な壁紙を入れて使わないときの見栄えも良く・・
2004/02/14 田村