まず、外観写真を見るとPPと思われると思います。前段用の4本は6AU6です。シャーシが弁当箱シャーシなのは、制作の時間が無かったため手抜きです。更に、電源にいたってはどうにか箱に入れたものの、トランスの頭が飛び出して蓋が閉まりませんでした。ボリュームのようなものが附いていますが前段の負荷調整です。
同一管リニアライザを使用する以外は動作例に従って電圧を決めました。
何の変哲も無い普通の動作です。前段の6AU6は三結として負荷に東栄電気のシングル用のOPTをスイングチョークとして使用しています。前段に関しても同一管リニアライザを使用しました。定数に関しては手元にあった部品を使用したため適当に決めました。当時リニアライザの使用例はラインアンプだけだったので前段出力段共にトランスを負荷に使用しました。SRPPでも問題なしと思ったのですが敢えて実績のある回路のスケールアップとしました。
807は高周波での発信を起こしやすいので配線には十分な注意が必要です。調整中にTVIを出した事もあります。基本的には配線を極力短くする事です。
制作を完了し火を入れるといきなりボボボとモーターボーディングを起こしました。制作途中で迷った807のSGの処理をリニアライザ下としたのですがここが問題だったようです。電源側に移すと発信は止まりました。(807を制作されていたBMの会の諸兄の家でもボボ・ブラジルは聞かれたとの事です。)CDからのソースを入れるといきなりまともに鳴り出しました。少しハイ上がりな音です。しかし仲間から聞いていたボテボテの低域は出ません。でもちょっと低音が寂しいので少しNFを掛ける事にしました。トランスの2次から取るのは位相がめちゃめちゃになるのでプレートからグリッドに直接1MΩを接続しました。電圧が上がった分グリッドリークに−Cを追加しバイアスのつじつまを合わせ、グリッドカソード間で14Vとなるように調整しました。
その後807アンプは昨年末の6Y6の登場まで約2年にわたって我が家のメインの座に君臨しつづけました。