回路設計に当たっては、超3結合の標準機となるように、経験的に蓄積されたノウハウを盛り込みました。オリジナルとの違いを以下にまとめました。
6BM8を使用した超3結合アンプです。真空管を8本使用しています。シャーシ上に7本シャーシ内に1本です。トランスはシャーシ内に内蔵しています。
回路は超3結ヴァージョン1の変形です。出力トランスは小型トランス(東栄トランス制)を使用しています。オーディオの常識では信じられないぐらい小さいトランスを使用していますが、低域もちゃんと出ます。仲間の測定では6BM8超3結でこのトランスを使用し27Hzまでフラットという事です。大型トランスの使用よりもこの手の小型トランスのほうが聴感上良いようです。
回路は超3結タイプ1の変形です。電源とトランスの間に6X4Wを入れ電源へのエネルギーの逆流を防いでいます。この場合、整流管を使用している為、リニアライザとしての動作よりも逆流防止としての効果のほうが大きいと考えられます。6BM8のSGと6AU6のSGに2極管が入っているのは、5極管の2乗特性歪みを少しでも低減する為の工夫です。ラジオ技術の藤井さんの記事を参考に入れてみました。結果は良好で、使用しないときより明瞭になります。
アースはベタ・アースを採用しています。アルミシャーシに銅箔シールを貼っています。アース面はシャーシ全面である必要はありませんので、中心部の部品があるところだけ貼るようにしています。使用した部品は特別なものは何もありません。信号系に使用している抵抗などは秋月電子の袋入り100本のカーボン皮膜抵抗を使用しています。コンデンサは秋葉で見つけた1Kgコンデンサ袋の中にあったものを使用しています。
調整は6AU6のカソードに入っているボリュームで行います。6BM8、5極部に30mAほど流すようにし最大振幅が得られるように調整します。