カーブトレーサを作ろう

簡単なカーブトレーサを作ってみよう。


きっかけ、他はどうなったの?

自動測定器はどうなったのか?その他いろいろどうなったのか?とおっしゃる事と思います。ごもっともです。なぜ急にカーブトレーサかと言うと、手作りアンプの会のRさんがどうしても欲しいとの事で、それなら、以前書いた回路があると、引っ張り出してみました。ところが、中途半端だし、細部まで考えは及んでいないし...と問題だらけでそのまま作って下さいなどとは到底言えない代物でした。それで、手作りアンプの会の皆さんの協力を得ながら再度一から考えてみる事としました。本格的な物はとても大変で作るのは困難を極めます。そこで、良く知られた半波整流を使う方法で進めてみる事としました。(本格的な物は大変すぎて作るつもりはありません)

超簡易カーブトレーサ

さて、半波整流を使うカーブトレーサは至って簡単、多分手持ちの部品ですぐに作る事ができると思います。原理などの解説はさて置き、回路図を示します。

ctrace_easy.gif

6AS5−3結を実際に測る要領でつないでみました。使い方ですが、この回路の他に2現象オシロスコープとテスターが必要です。オシロスコープをXY入力にして、出力をつなぎます。BNC端子みたいなのが書いてありますが、プルーブを繋いでもOKです。電源を入れると何やら斜めの輝線が出ます。これがそのままEp−Ip特性になります。バイアス電圧調整用のボリュームを回して、適当な電圧を与えて幾つかのグラフをトレース(写真を撮っても良いです)すれば、れいのグラフを取る事ができます。ペア取りに使う時は、バイアスを同じにして、球を差し変えてトレースしたグラフを比較しましょう。薄いトレシングペーパーを貼り付けてサインペンで書き込むのも良いでしょう。

超簡易版はここまでです。グラフを得るには、けっこう努力と忍耐が必要です。これが上手く行ったらもっと実用に耐えるようにいろいろと細工をしていきましょう。それに、せっかくですから、努力忍耐不要でもっと便利に、多極管の測定、Gmの測定、ができる様に拡張していきます。まずは簡易版を作って使ってみましょう。

2000/6/25


では本格的にしてみましょう

多極管の問題

超簡易版の要素を工夫すると本格的な物へと成長させていくことができます。B+用トランスを何段か重ねてセレクターを付けると電圧をステップですがある程度の範囲で設定すする事ができる様になります。バイアスは調整用のボリュームを4つ付けて4電圧出る様にして、ACに同期したクロックで順に選んで出力すればXYスコープの管面に4本のカーブを出す事が出来る様になります。デジタルの経験のある方はもうできたも同然ですね。さて、ここで問題が発生しました。真空管には多極管という厄介な物があります。トランジスタや、FET、3極管はここまでで十分な観測ができる事と思います。多極管のG2ですが、厄介な事に結構電流が流れます。そのまま、まとめて電流を測るとどうしても上手くありません。いろいろと考えた結果、B+の発生と同等のG2用のトランスが必要な事が解りました。以下に多極管対応のカーブトレーサのブロック図を示します。

ctrace_block.gif

と、いった具合です。明日から、それぞれのブロックの回路を順に考えていきます。
2000/07/03